西行法師の和歌(新古今和歌集 夏歌262)を仮名(かな)書道で以下のように創作しました。&桔梗の花を描き添えました。皆さまも清らかな水の流れと柳の木陰を想像して涼めたらよいですね。
道のべに清水流るる柳陰 しばしとてこそ 立ちどまりつれ
意味
道のほとりに清水の流れている柳の木陰よ。しばらく休もうと思って立ち止まったのであったが、あまり涼しいので、つい時を過ごしてしまったことだ。
創作の読み方
みち(遅)のべ(遍)に清水なが(可)るる(ゝ)柳かげ(希)し(之)は(者)しとて(弖)こ(古)そ(所)た(多)ち(遅)と(止)ま(万)り(利)つ(徒)れ 峻恵かく
かな書道の場合、落款の名や雅号は入れずに落款印のみか“西行の歌を峻恵かく” などとしても良いです。書道の作品を絵画のよう見て全体を調和させます。
かな書道の上達は、古筆臨書をすることが必要だと思います。始めたばかりの方でも、臨書をすることで、かなの字源を理解して変体仮名に慣れ、すらすら読めるようになると楽しさが増していくと思います。
臨書は、向き合う姿勢(体勢は勿論ですが、取り組む心の姿勢の方です。)が大切です。沢山書くことではなく、手本に肉迫することです。たとえ短歌ひとつだけでも
どれだけ古に肉迫できたか、臨書した後に、どうしたら奥深く、もっと手本に近づけるかと自分の作品を振り返ることが大切だと思います。
通ってくださっている生徒の皆様は、真面目で几帳面な方が多く、上手に書きたいというお気持ちが強いように感じます。楽しみながら一歩一歩取り組むことで、あるとき飛躍的な上達を実感できると思います。
課題の仮名書道と並行して、気楽に古筆臨書にも挑戦していただければと思います。